読みました#3のつづき

「この昏君」というのは、「このばかっ殿」ってところ。
 終わり方もいい。
 なんと女媧に縛りあげられ姜子牙に引き渡された3妖は処刑されるのだが、妲己の嬌態に首切り役の軍士は目が眩んで刀が振り下ろせなかったり・振りかぶれなかったり、遠隔操作の剣でやっと処刑する。美人であるというのも「宝貝」かも。そういえば「バルザック小さな中国のお針子」で文革で貧しい田舎に下放された三人の都会の青年の一人にむかって、すっかり垢ぬけた小裁縫なる美少女が、「バルザックのおかげで、女性の美しさは値の付けようのない宝だと気付いた」といって、去って行ったっけ。
 封神榜の司祭でもあった、革命の立役者姜子牙は365位の神々を勅封するが、365番目申公豹は「地球のへそ」(北極にある)に。かわりに飛廉・悪来が二人で一人の勘定となる。一番の功労者の筈の姜子牙は斉国に領地を与えられ中央から追いやられる。三百年後、春秋戦国時代を治める最初の王は、彼の第十五代目の孫「斉の桓公」だったとさ。天子になるのを断った申公豹と同じく格好よく去っていくのは「馬賊」になるといった北伯侯崇応鸞だ。