読みました#3

封神演義」を。中国三大怪奇小説といわれながら、孔子様に嫌われ、かわりに「水滸伝」をいれることもあったとか。ちなみにほかの2つは、三国志演義西遊記
 人界の商周易姓革命に天上界・「截教」「闡教」二派の仙人界が関与して戦いがおきるのだが、さながら仙人たちが開発に努めてきた「宝貝」という秘密兵器の展示会。名前も作動のさせ方も多彩な細菌兵器・神経ガス・ミサイル・人造人間、次から次へと繰り出して、なんと近代的なと思わせる。何年前の小説かと。めざすは神界を創設して仙界・人界の再編成。その過程で、西方に縁あるもの、仏教に縁あるものは追放される。
名のある犠牲者の魂は「封神榜」に封じられ神界にいれられ、なんと截教には1500年ごとの殺劫(殺戒をやぶる)があるという。発端は女媧宮に詣でた紂王が、女神の像に欲情し天女を褻狎する詩を壁に書いてしまうことで、女媧の怒りを買い3匹の妖孽をおくりこまれることによる。宮殿に帰ってきて、后妃・嬪御・美人をみてどいつもこいつも大根・牛蒡にも劣ると思うなんて、いやどんな像だったんだ?
 さすが講談、二度三度同じ手が使われるので、きっと聴衆から「だめだ返事するな」「追っかけちゃだめだ」とか声がかかったことだろう。忠臣・良臣が諫言する場面では「そうだ!」「よく言った!」とか。結局、姐己(千年の女狐)に惑わされた紂王が妖術をかけられ理不尽な刑罰を言い渡すことになると、「この昏君(フンチュン)!」と臣といっしょになって聴衆も叫んだことだろう。
 賄賂を欲しがる侫臣とか、計算高い太公望(姜子牙・周の軍師)の妻馬氏とか、あまり綺麗ごとばかり言う文王(姫昌に対しては、「そういう奴って居る
よな」。
 政りごとをおこない治める者のあり方とか、結構説教くさいところもあって、でもこんな話を面白がる民衆のレベルの高さ、健康さ非常に面白かった。
いまも、これを書きながら名前などを確認しようと本を開いたら、ついつい読んでしまう。うん。おもしろすぎる!