いろいろ⑩

「ポリティコン」(桐生夏生)読みました。理想を持って共同体生活をはじめた集団の三世代目の話なのだが、現代の社会問題の縮図のようで面白かった。自分も年寄りの仲間と思うので言わせていただくとやな年寄りが結構出てくる。すでに理想は置き忘れられ腐敗堕落し、若者は流出 老齢化が進み第二世代が集団を維持するのに何が必要か考えることを辞め 自分の事にかまけて、次の世代を育てることを怠っていて。三世代目はある意味改革をもたらすのだが、あまりにえげつなく意地汚く(二世代目の下手な模倣ともいえる)最後は集団から排除される。それでも若さゆえ再挑戦、新天地を北海道に。振り回され振り回したかつての少女と共にという明るいお話??。道州制とか地方自治体が、地元に根差したテコ入れで、日本を改革。再生可能エネルギーの利用もそっちからしか出来なかろうが。「ポリティコン」でわかるのは、どういう社会を目指していくのかビジョンがいる。(そういうのがほんとの暮らしだよね。そういう社会にしたいよね。と、共感・同意できる。)それに、教育は社会の責任だろう。社会を維持するにどんな職種がどれだけ必要か 保守点検・安全の為の仕事も含めて 必要な知識・技術を必要な人員に身につけさせるのは社会の費用でやるべきだ。(国で基準を緩めたせいで弁護士が余ったとか医者が余ったとかもったいない。大学は出たけれど就職難。なんという無駄。少子化で親は金を掛けたが?って ほんとうにもったいない。)ちゃんと技術を受け継ぐための熟練者による指導も(年寄りが死に絶える前に)社会が責任もってやるべきだろうし。
 ところで、家っていうのは消耗品 はてしなく費用・労力を要する。手に入れてそれで終わりじゃない。地震で壁にひびがはいって、屋根瓦が割れたりずれたり。そうでなくても目地や屋根・壁の塗装が劣化して、かびたり水が滲みるようになったり。このあたりは建売団地で、2〜3十年て とこだけど、2回目の塗装をしているとこも、立て替えているところもある。購入する時は30年・35年のローンを組んで、終の棲みかと思っても下水施設に水回り。軒の深さも建蔽率のせいで制限されるため(狭い敷地に居住部分を広くとりたい建売故 風土気候にあっておらず)テラスに、ポリカの屋根をつけたり、デッキをつくったり、5年10年毎に白蟻駆除の消毒頼んだり、狭いとはいえ庭は1カ月も放置すれば雑草が伸び放題、生垣は最低でも年に1度は剪定が。で、「東京0円ハウス」(坂口恭平)読みました。要は自作の家。都市で拾った材料使って、川の土手などに撤去も簡単(年に一度必要)再構築も簡単な家。したがって手入れも簡単。これはさすがに一万円で購入してきた ソーラーパネルを立て自家発電している人も。自動車用バッテリーを電源に使っている人の方が多そうだが、カセットボンベで煮炊きして、別段100Vでなくたって大概の電化製品が使えてて、施設に収容されたり死んだりすれば、さっさと次の人が利用する。合理的。しかも独創的で。ジブリ映画「借りぐらしのアリエッティー」を思いだした。自然描写の美しさが印象に残ったアニメだが、古い屋敷に棲みついた小人一家の暮らしの工夫、お父さんの作った道具のあれこれが楽しくて、一種の採取狩猟生活ってとこが0円の人たちと似てるとおもった。ストレスフリーで生き生きしてて・・・。(わざわざ人間の男の子を病気に設定しなくても)。こういうのこそ生活だよなと思う。私たちこそ、自然からあれやこれやをお借りして暮らしている。つつましく最低限生活に必要なだけお借りして、「ありがとうございました」と感謝してそっと去っていきたいものだ。虫の脚を喰い、モモンガマントで滑空する男の子もよかったなあ。