いろいろ③

 5月11日付から東京新聞原発事故の検証記事がはじまった。小説より面白い。時間が経ってるんで他人ごとのようで、でも確実に歴史上はじめての大量長期被爆実験が始まったんだね。埼玉のお茶のニュースにしても東京・神奈川の汚水処理施設の焼成汚泥にしても思わされてる以上に放射性物質が既にふりそそいじゃってるんだろうな。レントゲンやCTスキャンと比較してもらってもなあ。人口あたりのCTスキャン日本は他の先進国の3倍ぐらい持ってるらしい、あったら使ってるんでしょうね「医は算術」か元手は回収?。ついでに働きに行ってる犬知人に聞いたんだけど、隣町の老人施設は自分で食事が出来なくなると即チューブを繋いでくれるらしい、死人から金は取れないようなので。
ほぼ四十年ぶりだろうか。高橋和巳邪宗門」を読んだ。むかしは、流行ってたんですよ。重苦しかった印象が、いつも頭の隅に見聞きした原発のニュースが重く引っ掛っている今、もう一回読んでみようかと思ったのだけど、最初のほうの主人公の話に腹が立って仕方がない。どうみたってストーカー、セクハラ、児童虐待、好意をもってるからって盗品を与えるのもどうかと思うし、第二代教祖の娘だからって上女中下女中がいて人を叱り付けたり顎で使うのもどうなんだ?。ま、それは置くとして、菩薩の誓願ともいうべき八誓願、本気で追求していった先に何が起こるか。宗教の実験的な話とでも言おうか。一旦は原始共産主義とでもいうべき共同生産が成功したかにみえるのだが・・・。モデルになった宗教もあって、満州開拓村や炭鉱・織物工場での労働争議、戦争遂行のための思想統制青年将校のテロ、戦後の憲兵の所を変えただけの転身、小作争議、食管法等、挿話の数々は史実にヒントを得て描かれているという。昭和初期の弾圧は、悪名たかい治安維持法不敬罪、国体の変革・私有財産制度の否定・紙幣もどきの印刷・自殺幇助等々が責められ、教祖(二代目)以下主な幹部が投獄される。終戦後、第二代教祖の死後、継主となった次女の投獄中、長女のつくった偽書で主人公は第三代教祖に。米軍が進駐して平和憲法制定へと動き出しても権力の実態は何ら変わることなく、弾圧にやむなく武装蜂起するも破滅する。第二代の遺言に二通り。穏やかなものと、激しい路線と。底辺の虐げられた民に寄り添い、底から湧きあがるエネルギーこそ宗教のもつ力の源。
 参考までに八誓願を。(私には無理な気もする。事態がここまできても日常生活の惰性が)黄門さまだろうが、鬼の平蔵だろうが、刑事物だろうが、庶民の願いは一つ。正義がおこなわれること。戦争だろうが、年金だろうがこの国は克明に暴いて責任を取らせることが得意でないようで。あげくに、総懺悔?

 たとえ蓮の花ひらき、無量光かがやく天国の 眼前にあろうとも、此岸に一人の不幸に涙する者あり、一人の餓鬼畜生道の徒あるかぎり、我らは昇天せじ たとえ黄金珊瑚あり、真珠瑪瑙の輝きあるとも、此岸に一人の盲者あり一人の貧者ありて、その光を眺め得ぬ限り、我らもまたその宝を見じ
 たとえ眼くりぬかれ耳ふさがれ、手足をもぎとらるとも、此岸に一人の不義の徒あり、人を支配し、徭役し、その手の血に穢るる者のあるかぎり、我らこの世を寛恕せじ
 たとえ劫億の未来世においても、そこに一瞬のそねみの心あり、人の禍をたのしむ一点の邪心の残る限り、我ら安心立命することなからん
 たとえこの世に安楽の花満つるとも、祖霊に供養されざる一人の無縁の霊あり、精霊に慈悲かけられざる一個の怨霊のあるかぎり、我ら成仏せじ
 たとえ身は業病にくちはつるとも、たとえ金の鎔け、陽の東に没し、川の逆流するとも、我らの信心に一点の動揺あらば、神よ、我らを救いたもうことなかれ
 たとえこの世栄え、積善余慶あり、万人の生活の自在なるをうるも、応報の理に一点の障礙あるかぎり、この世はむしろ呪われてあれ
 たとえこの世の破滅し、この世の永遠に呪われてあるとも、己れ一人にて救わるる心あらんよりは、むしろ世とともに呪われてあらん

あかん。なんか悲しくなってきた。十三年越し自殺者三万人越え。口蹄疫やらインフルエンザ・被爆で屠殺された大量の家畜達。原発から海に流される塩素混じりの水で死んだ海の生き物たち。もう、生き物全部可哀想だ。

 家庭用燃料電池。地中を通した空気で冷暖房。ドイツの省エネ実験住宅でも採用されているバイオ分解のトイレ。飲めるような水を大量に流すトイレってだめだよね。どこの国だったかトイレの形状が違うのだろうけど大用をたしても脇に置かれた柄杓で二杯も流せば流れて行った。
水を撒かなくても雑草が生い茂り嶌葛がのびる。米国の十年ぐらいで大木になる木の畑ともいえる風景もTVで見たし。原発の周りこそグリーンカーテンで覆ったら。